1.感染危険情報の発出
4月30日、世界保健機関(WHO)は、パンデミック(世界的大流行)警戒レベルをフェーズ4から5へ引き上げました。これを受けて日本政府は、メキシコについては、次の感染危険情報を発出しました。「メキシコへの渡航を予定している方は、不要不急の渡航は延期して下さい。また、メキシコ滞在中の方は、不要不急の外出は控え、十分な食料・飲料水の備蓄とともに、安全な場所にとどまり、感染防止対策を徹底して下さい。なお、今後は出国制限が行われる可能性または現地で十分な医療が受けられなくなる可能性がありますので、メキシコからの退避が可能な方は、早めの退避を検討して下さい。
また、メキシコ以外で新型インフルエンザの感染が確認された国・地域(20カ国・地域)に対しても、感染危険情報を発出しています。それらの国・地域に渡航を検討されている方は、渡航先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し、十分注意して下さい。また、これらの国・地域に滞在される方は、WHOの情報にも留意しつつ、感染防止対策を徹底するとともに、感染が疑われた場合には速やかに医療機関で受診して下さい。」
2.感染状況
(1)5月5日午前現在、WHOが公表している感染状況
感染が確認された国:21カ国・地域、感染者数1,085人
メキシコ 感染者数590人(うち25人死亡)、米国
286人(うち1人死亡)、カナダ 101人、スペイン54人、英国 18人、ドイツ 8人、NZ 6人、イスラエル
4人、フランス 4人、イタリア 2人、エルサルバドル 2人、オーストリア 1人、オランダ 1人、香港1人、スイス
1人、デンマーク 1人、 韓国 1人、コスタリカ
1人、コロンビア
1人、アイルランド 1人、ポルトガル 1人
(2)感染疑いがある国:18カ国(報道を含む)
インド、豪、スウェーデン、チェコ、ノールウェー、リトアニア、ルーマニア、アルゼンチン、グアテマラ、チリ、トリニダード・トバゴ、パナマ、ブラジル、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ベナン、ニカラグア
3.エジプト政府の対応
(1)エジプト保健省は、4日現在、国内での感染者及び疑い例も含めて発生していない旨発表しています。また、自国民に対してメキシコへの渡航には十分に注意するよう警告を発しています。カイロ国際空港等においては防疫対策として、感染発生国から到着した航空便の乗客に対し、健康状態の検査及び入国後の健康の監視強化措置をとっています。
(2)新型インフルエンザの感染を防ぐ対策として、国内で飼育されている豚を屠殺処分する方針を決定し、2日から処分を開始しましたが、この措置に反発したカイロ市内の養豚業者が警察と衝突する事件が起きています。
4.在留邦人の皆様へのお願い
(1)現時点ではエジプト国内において感染者の発生は報告されていません。しかし、交通網が発達した現在では、いつ感染者が発生し拡大するか予測することは困難ですので、今後とも引き続き情報を収集し、冷静に事態の推移及び関連情報に注意することが必要です。
(2)引き続き以下の諸点につきご注意願います。
(イ)手洗い、うがいを励行する。
(ロ)食料、飲料水、医薬品などの備蓄品の確認。
(ハ)今後の事態の変化によっては、人混みを避けること、人混みに出る場合にはマスクを着用すること。
(ニ)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、迷わず医療機関の診察を受けること。
(3)適切に調理された豚肉や豚の加工品を食べることでは新型インフルエンザにかかりません。インフルエンザ・ウィルスは、摂氏70度の温度で調理することで死滅します。
5.大使館では、引き続き状況を注視して情報収集に努め、今後とも関連情報を迅速に提供していきます。
○WHO(世界保健機関)HP: http://www.who.int/en
○厚生労働省HP: http://www.mhlw.go.jp
○新型インフルエンザに関するQ&A: http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.jtml
○新型インフルエンザ対策: http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou/pdf/poster10.pdf |