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平成21年6月11日

新型インフルエンザの発生について(第6報)
 

1.エジプト国内における感染者

 

保健省は、カイロ市内ザマレクのカイロ・アメリカン大学の寮において、6月8日に学生2人、9日に5人の学生(いずれも海外渡航歴有り)が新型インフルエンザの新たな感染者として確認された旨発表しました。現在、同大学は休校措置を採っており、他の寮生については、保健当局により隔離のうえ検査が行われています。また、更に10日には、アメリカからの渡航者2人の感染がカイロとアレキサンドリアで確認されました。これで国内での感染者は合計10人となりました。

 

2.今回の新型インフルエンザの特徴

 

(1)今回流行している新型インフルエンザ(H1N1)は、ヒト・ヒト感染を起こす全く新しい型のウィルスによって引き起こされるもので、基本的に誰も免疫を持っていないため感染力が強く、多くの人が同時に感染する傾向にあります。WHOは、今回の新型インフルエンザは季節性インフルエンザより感染力が強いとしています。

 

(2)一方、今回の新型インフルエンザ・ウィルスの毒性(試算致死率0.4%)は、季節性インフルエンザ(致死率0.1%)より高いものの、鳥インフルエンザ由来の新型インフルエンザが、今後発生した場合に想定されるものよりも弱いとみられています。実際、メキシコを除く感染国では大半のケースが軽症となっています。

 

(3)強毒性の鳥インフルエンザとは異なり、今回の新型インフルエンザの毒性は比較的弱く、冷静に対応することが大切です。但し、軽症の例が多いとは言え、慢性疾患を患っている人や妊婦等を中心に重症化する例が報告されていますので、注意する必要があります。

 

3.WHOの「フェーズ」について

 

(1)WHOでは新型インフルエンザの拡大状況について、「フェーズ」という指標を用いて表すこととしており、感染発生前から感染ピークを迎えるまでを6つのフェーズに分類しています。現在は「フェーズ5」です。

 

(2)WHOは、今後、北米大陸以外でコミュニティ・レベルの持続的なヒト・ヒト感染が確認された場合は、現在のフェーズ5からフェーズ6(世界的大流行の状態)への引き上げを検討するとしていますが、フェーズ6への引き上げは、感染の地理的拡大を意味するものであって、ウィルスの毒性や重症度とは関係がないとも述べています。

従ってフェーズ6へ移行した場合も、ウィルスの毒性、重症症例の増減、当地における感染状況等に変わりがなければ、過度に恐れる必要はなく、特段の新しい措置をとる必要はないものと考えられています。

 

4.在留邦人の皆様へのお願い

 

(1)エジプト国内では新たな感染者の発生が確認されていますが、今後とも引き続き情報を収集し、事態の推移及び関連情報に注意することが必要です。今回の新型インフルエンザは、早期の診断と抗インフルエンザウィルス薬による治療等によって、多くの方が回復しています。ただし、インフルエンザウィルスは型を変えながら、今後も広がる可能性がありますので、正しい情報に基づく冷静な行動をお願い致します。

 

(2)新型インフルエンザを予防するためのワクチンは存在しないため、自分で感染を予防することが必要ですので、引き続き以下の諸点につきご注意願います。

  (イ)手洗い、うがいを励行する(接触感染・飛沫感染を断つ)。

  (ロ)不要不急の人混みへの外出を控え、必要が生じた場合には自宅での待機ができるように食料、飲料水、医薬品などの備蓄品の確認。

  (ハ)今後の事態の変化によっては、人混みを避けると共に、人混みに出る場合にはマスクを着用すること。

  (ニ)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、速やかに医療機関の診察を受けること。

  (ホ)医療機関を受診する場合には、院内感染防止のため、マスクを着用のうえ事前に電話連絡をすること。

 

(3)適切に調理された豚肉や豚の加工品を食べることでは新型インフルエンザにかかりません。インフルエンザウィルスは、摂氏70度の温度で調理することで死滅します。

 

5.各国の感染状況

 

6月10日午前現在、WHOが公表している感染状況

感染が確認された国:74カ国、感染者数27,737人(うち死亡者 141人)

メキシコ 感染者数5,717人(うち106人死亡)、米国 13,217人(うち27人死亡)、カナダ 2,446人(うち4人死亡)、チリ 1,694人(うち2人死亡)、コスタリカ 93人(うち1人死亡)、ドミニカ91人(うち1人死亡)、オーストラリア 1,224人、英国 666人、日本485人、スペイン 331人、アルゼンチン 235人、パナマ 221人、中国 142人、ホンデュラス89人、ドイツ 78人、フランス 71人、エルサルバドル 69人、ペルー 64人、イスラエル 63人、エクアドル 60人、グアテマラ 60人、フィリピン 54人、イタリア50人、韓国 48人、ブラジル 36人、コロンビア 35人(以上、主な多数発生国)

 

6.大使館では、引き続き状況を注視して情報収集に努め、今後とも関連情報を迅速に提供していきます。

 

参考ホームページ

○WHO(世界保健機関)HP:http://www.who.int/csr/diseasew/swineflu/en

○厚生労働省HP:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html

 新型インフルエンザに関するQ&A

  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.jtml

 新型インフルエンザ対策

  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou/pdf/poster10.pdf

 


エジプトでの感染情報

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