1.国防相によるロードマップの発表と衝突の発生状況
(1)3日午後9時、1日に国軍が設定した48時間の猶予期限が過ぎたことを受け、エルシーシ国防相は、①憲法の一時的停止、②大統領選挙の早期実施、③新たな大統領選出までの間、最高憲法裁判所長官による暫定政権の樹立、④憲法修正委員会の設置、等を内容とする声明を発表しました。同発表に基づき、4日、アドリー・マンスール最高憲法裁判所長官は宣誓を行い、暫定的な大統領としての任務を開始しました。
(2)国防相がロードマップを発表した直後から、複数の都市でムルスィー氏支持派と反対派が衝突し、現在までに北部マルサマトルーフで6名、アレキサンドリアで3名、南部のミニヤで3名が死亡したほか、カフルシェイク県等でも衝突が発生、多数の負傷者が発生したと報じられています。
(3)カイロ、ギザ等では、大きな衝突の発生は報じられていませんが、3日夜、カイロ大学前では国防相声明に反対するムルスィー氏支持派が集会を実施したほか、ラバ・エル・アダウィーヤ・モスク(ナセルシティ)での支持派集会でも国防相声明に反対の声が上がりました。
(4)また、ムスリム同胞団や自由公正党などのイスラム団体の指導者が相次いで当局により逮捕・拘束された旨報じられており、今後の治安情勢は流動的となっています。
2.現時点では今週末における具体的なデモ・集会情報は伝えられていませんが、ムルスィー氏支持派は国防相による発表を拒否する姿勢を見せており、今後、支持派と反対派の間の衝突等の可能性も否定できません。つきましては、最新情報を入手するよう努めるとともに、特にデモ・集会には近付かない等、治安情勢には引き続き細心の注意を払ってください。
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