1.共和国防衛隊隊舎付近での衝突の発生
(1)8日午前4時頃、ヘリオポリスの共和国防衛隊本部付近において、ムルスィー氏支持派と軍の間で大規模な衝突が発生し、報道によれば、これまでに42名が死亡、300名以上の負傷者が発生しています。
(2)ムスリム同胞団のバディーア最高指導者は、8日12時頃、自身のフェイスブックページで「軍は、生命と血に対する慈悲を持っておらず、アサドに倣い、エジプトをシリアと同じ運命に導いている」と軍を激しく批判しました。また、ムルスィー氏支持派は、ラバ・エル・アダウィーヤ・モスク前での座り込みを続けているとともに、本件発生後には「革命を奪おうとする者達への蜂起」を呼びかけています。
(3)以上の展開を受け、今後、衝突や混乱がさらに広がる可能性があります。また、支持派・反対派双方によるデモ・集会がこれまで発生していなかった場所でも起こる可能性がありますが、これが暴力を伴うことになる可能性も排除できません。つきましては、引き続き、特に多数の人が集まる場所に近づかない等、最新の情勢の入手に努めつつ、治安情勢には最大限の注意を払ってください。
(4)7月6日に、エジプト全土に対する危険情報は「渡航の延期をお勧めします。」に引き上げられていますが、事態はいっそう流動化する可能性がありますので、事情が許す限り、国外に出られることも検討してください。
2.軍・治安部隊による警戒の強化
(1)軍は本日(8日)12時頃まで、タハリール広場付近の橋に関し、以下の措置をおこなっていました。8日12時現在、上記措置は解除されているとのことですが、付近には軍の車両が待機しており、状況の推移によってはまた同様の措置が取られる可能性があります。
(ア)10月6日橋:検問の実施
(イ)カスル・アイニ橋:封鎖(徒歩のみ通行可能)
(2)このほか、コルニーシュ通り第2マーディ入口では、機関銃を携帯した10人程度の警察部隊が国軍とともに警戒にあたるなど、軍・治安部隊は各交通の要所で検問等警戒を強化しています。交通に乱れが生じる可能性がありますので、十分ご注意下さい。
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