エジプト生活情報〜住宅事情
エジプト生活の基盤となる住まいについての情報です。 (2016年12月現在)
当地では、全ての条件・好みに合致する住宅を見出すことは極めて困難である。従って各人の有する事情(家族構成等)を踏まえ、地理的条件(学校及びその通学バスルートとの遠近、買物の利便等)、住宅の条件(レセプションル−ムの大小、寝室数、直射日光の差し込み具合等)、借り手の要求に対する大家の取り組み姿勢、基本設備の状況(エアコンの有無・作動状態、キッチンや浴室の設備、国際電話回線
(電話により国際回線の利用が出来ない場合がある、次項通信事情参照、駐車場の有無、エレベ−タ−の数、コンディション等)を勘案しつつ、住宅としての利用上の主要なポイントを選択して決定することが効率的である。
1.住居を探す際の注意点
当地では、極めて寛大な態度を見せながら、一旦入居すると契約条件や借主の要望を殆ど顧みない家主もいる。従って、住居を見つけるに際しては、事前に人柄の評判や過去の賃貸関係に関する評判を、当地在留邦人から可能な限り収集することが不可欠である。
入居後及び解約の際に後悔しないためにも、こうした事前の情報収集・確認、かつ、家主との面談時に充分家主を見極めることが慣用である。 フラットの建物の玄関には、必ず警備と門番(バワ−ブ)がいるので、彼らに空フラットが有るか無いかを確かめるのも一つの方法であるが、英語を解する者はまずいない上、第三者を通すことによる家賃のつり上げが起こり得る。
なお、稀ではあるが、裁判において係争中のフラットを借家人に貸したり、又貸しするケースもあるので注意を要する。また建物は建築中でも入居できる場合があるが、トラブルの原因となるためにそのような物件は避ける方がよい。
2.入居・解約の手続き及び条件
家を借りる際の留意事項
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5、6月ぐらいまでは比較的物件の空きが多い。だが、ラマダン(断食月)期間中や犠牲祭休暇前後は、湾岸諸国等から休暇のため、当地に長期滞在する者が多いので、物件数が少なくなり買い手の希望にかなった物件を手に入れるのは難しい。
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家具、電気製品:殆ど家具付きなので、古い家具や電気製品が壊れていないか必ず確認すること。また、新しい物と交換してほしい時は、入居前に必ず確認して交換させるようにする。これをしないと、入居後は殆ど交換してもらえないか、かなり時間がかかる場合が多い。
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新たに電話を設置するのは時間がかかるので、入居の際に、既に電話が付いているか確認する。またその際、通話可能かどうか、国際電話契約がしてあるか否か確認するとよい(実際に通話してみる必要がある)。
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冷暖房設備:夏は暑いカイロでも、やはり冬は冷え込むので、冷房のみならず暖房設備が必要である。無ければ入居前に要求すること。暖房については備え付けの暖房装置では不十分なことも多いが電気スト−ブ(ガス・石油ストーブは一般的でない)の現地購入は可能である。
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駐車場:出来れば駐車場のあるフラットがよいが、無い場合はフラット周辺の道幅や交通事情等を調べておき、自分の車のスペ−スを確保することが可能かどうかみておくとよい。しかし、路上駐車の場合、当て逃げされる可能性があるため、駐車場にとめておくのが一番良い。駐車代金はLE300−600。
• エレベ−タ−の調子・台数、水回りの良し悪しも確認の要あり。
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ドアの鍵は、家主が勝手に出入りすることを防ぐため、入居後、鍵穴のシリンダー部分を交換して新しいキーを使用するかできれば自分のものを別途取り付けたほうが良い。鍵の取り替えは容易かつ安いものも見つかる(100−1000ポンド)。鍵はコピーできないものを購入し、また不正コピーを防ぐために必ず自分で買いに行くようにする。
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一旦入居すると交渉ごとはスム−スに運ばないので、出来るだけ入居前の契約時に不満要素の改善(壁のペンキの塗り替え、冷蔵庫等家電製品の購入・買い替え、水回りの改善、シーツの予備の追加購入等)を要求すること。その際、証拠を残すためにも、要求事項をまとめたリストを家主へ提示すると良い。また、大抵の家主はインベントリーを行う習慣がないため、退去時のトラブルを防ぐためにも、入居時のフラットの状況を書面にし、同じく家主に提示すると良い。
その際お互いにサイン等一筆入れるのも良い。
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ただし、エジプト人の気質上、家主とは対決ム−ドではなく、出来る限り良好な関係を作るよう心がけることが出発点であり、重要な要素。対決ムードにしてしまうと、家主側がヘソを曲げてしまい事が進まなくなってしまう。
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支払わなければならないものは何かを確認。家賃、共益費、門番代、光熱費、ゴミ処理代、駐車代、自動車清掃代等々詳細に確認すること。
入居手続き及び条件
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契約時点での支払い金:前払いとして1〜2ヶ月以上を支払わされる。また、保証金は通常1ヶ月分支払わされる。保証金は解約する月の分として取り扱うのが一般的だが家主によっては別に要求することもあるので、契約時に
必ず取り決めておくこと。
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その他の経費:ゴミ処理料はゴミを回収に来る人物に直接定額を毎月渡す(フラットによっては、家主やビルの管理人に支払い、管理人が代わりに塵芥処理人に支払う所もある。)。駐車料金は専用の駐車場がある場合には,家賃込みのケースが多いが,毎月定額(300−600ポンド)を支払う。その駐車場の掃除(管理も兼ねている)者に交渉の上、毎日車を洗う条件で定額(100−300ポンド)を毎月支払う(当地は埃がすごいので、すぐ車が汚れてしまう。)。路上駐車の場合も掃除者のテリトリ−があり、上記と同様。
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電気、水道、ガス、電話:電気は毎月メ−タ−をチェックしており、月払いである。支払う前には必ず自宅のメ−タ−番号を確認し、数字をチェックしなおすほうが良い。電気・水道代はどのように支払うか家主に契約時に確認する。ブタンガス・石油等は個別に自分で買うか、門番に頼んでおけば買ってきてくれる。また、ガスに関しては都市ガスの設置も普及している。事故防止上、都市ガスが好ましい。
料金の目安は、家族構成により異なるが、夫婦二人の場合、目安としては電気代:夏、600−1000ポンド、冬、400−800ポンド。水道:数ポンド(共益費等に含まれていることが多い)。都市ガスおよびブタンガス:数ポンド。
以上の料金を自分で支払う場合は、毎月必ず請求書が来ることを確認する必要がある。請求書が来なくても、期限内に代金が支払われなければ料金滞納となり、供給が停止される上に復旧にも手間がかかる。
なお、公共料金の請求書は支払った事を退去時大家に証明する証拠書となる為、必ず大切に保管する事。また、同じ大家がいくつものフラットを同じビル内に持っている場合、請求書が間違って届く事がある。(同じ大家が貸している他人の家の請求書が届く。)面倒でも前回支払った請求書と同じかどうか(メーター番号等必ず統一性がある)確認する事。
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設備改善要求の程度と方法:契約時にすべて要求することが最善であるが、入居後発見することもあるので契約時に家主に一言付け加えておくと良い。しかし、入居後改善を要求してもすぐには取り掛かってもらえず、3〜6ヶ月要するのはこの国では一般的である。中には、入居後のフラット管理全ての責任をテナント側に押しつけ、電化製品のメンテナンス料等を支払わせる家主もいるので、入居後の電化製品等のメンテナンスの責任はどちらがもつのかも確認したほうがよい。
また、要求するものが高額の場合、折半や最初は当方が買うが解約時家主が買い上げる等家主と相談して決められる。(しかし、折半や買い上げは、後々問題を残すので、時間はかかるが、できるだけ家主に買ってもらうほうがよい。)
解約手続き及び条件
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途中解約の場合、保証金(1ヶ月分)が返されない上、2〜3ヶ月分に相当する違約金を請求されることがある。 |