日本からの輸入品に対するエジプト政府の規制措置の緩和について
エジプト政府による日本産品への輸入規制措置について,日本大使館は,規制が早期に緩和・撤廃されるよう働きかけを行ってきました。その結果,エジプト政府が首相令を改定し,規制措置が緩和されましたのでお知らせします。
○エジプト政府による規制措置の概要(10月20日付,首相令第1348号)
1 金属くず,地上および陸生の原材料については,輸入差し止めを継続する。
2 食品,飼料については,輸入時に日本の関係政府機関の証明書(産地,生産日,仕出し港,放射線検査結果を明記したもの)の添付を義務づける。また,輸入時にはEUの基準を考慮して放射線検査を行う。
3 その他の品目については,輸入時に放射線検査を行う。
4 荷送人及び輸入者は,輸入が拒否された荷物について15日以内に再輸出する義務を負う。
○個人消費用荷物の取り扱いについて
この新しい首相令では,商用ではない個人消費用荷物がどのように取り扱われるのかが明確ではありません。そこで,日本大使館より,エジプト政府でこの問題に関係する大臣や様々な政府機関に対し,個人消費用荷物が規制の対象とならないよう度重なる働きかけを行いました。その結果,エジプト税関より日本大使館に対し,個人消費用荷物の取り扱いについて以下の方針が示されました。
1 日本からエジプトに発送または携行された個人消費用荷物は,改定首相令の対象外とし,税関において放射線検査を行わずに通関を認める。
2 個人消費用荷物に食品が含まれている場合でも,日本の関係政府機関の証明書の添付は不要。
3 11月24日に,エジプト国内全ての税関に対し,上記趣旨の内部通達を発出した。
ただし,荷物が個人消費用であるか商用であるかの判断は,荷物の分量,包装方法,送付手段,送付元,受取人名などを総合的に考慮して,エジプトの税関職員が行います。そのため,実際には個人消費用荷物であっても,税関で商用であると判断されれば,通関が認められなかったり,放射線検査を求められたりする可能性があります。また,新しい方針が現場の職員に十分に周知されず,トラブルが起こる恐れもあります。
そこで,トラブルを少しでも防ぐために,荷物が個人消費用であることがわかるよう工夫されることをお勧めします。例えば,伝票に「個人消費用」と明記する,宛名を組織名や複数の人物名にするのは避けて個人宛とする,荷物が大きすぎて商用と誤解されないよう常識的な分量に抑える,といった対策をとられるようお勧めいたします。
○今後について
首相令第1348号には,なお課題が残されています。例えば、商用で食品・飼料を輸入する場合に,産地や品目に関わりなく全ての食品・飼料に対して,放射線検査の結果を盛り込んだ証明書の添付が求められています。これは,産地や品目を限定して規制している他の主要国と比べて厳しい措置と言えます。また,商用で輸入する食品・飼料に添付が義務づけられている証明書について,どのような様式とすればよいかが不明です。さらに,放射線検査にどのような基準が適用されるのかも明確になっていません。
日本政府・大使館は,エジプト政府に対し,規制をさらに緩和するよう引き続き求めるとともに,これらの不明点を明らかにすべく,エジプト政府機関と協議を続けています。
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