2014年10月30日
エジプトにおけるエボラ・ウィルス病に対する検疫について(10月23日現在)
1.検疫体制
ギニア,シエラレオネ,リベリア,ナイジェリア*,セネガル*の旅券所持者,同国内から出発或いは経由してエジプトに入国しようとする者すべてに対して,検疫担当官が決められたフォームに従い問診を行います。問診内容は次の通りです。過去の滞在先の状況,健康状態(発熱,頭痛,倦怠感,筋肉痛,咽頭痛,嘔吐,下痢,皮疹の有無のチェック)。問題が無ければ,入国を許可しますが,エジプト内での滞在先と連絡先を当局が把握します。同入国者は,到着後3週間,滞在先地域の保健管理事務所(国立乃至各地方自治体立基幹病院の一室)の管理下に置かれ,逐次健康状態の問い合わせが行われます。入国時に問題が指摘された場合,或いは,入国が許可されたのちに,健康の問題点が見いだされた場合,指定感染症病院に隔離され検査を受けることになります。
注*について:WHOは既にナイジェリアおよびセネガルをエボラ・ウィルス病感染国から除外していますが,エジプトにおける検疫対象国からの除外はされていません。他方、コンゴ共和国を感染国として扱う国がありますが,エジプトは対象国としていません。
2.カイロ空港
カイロ空港においても前述1.を踏襲した検疫が原則となっています。ただし,現状でサーモ・グラフィー等機器を使用してのスクリーニングは行われておらず,無作為抽出者の問診のみが行われています。他方で,エチオピア他において,ポリオ患者が増えていることが一因で,エチオピア航空搭乗者についてエボラ・ウィルス病を含めた検疫を強化しているとの情報が寄せられています(空港当局に問い合わせたところ,この事実を認めています)。万一空港で、上記1.に挙げた症状があり,検疫担当者がエボラ・ウィルス病などの疑いがあると判断された場合,カイロにおける隔離指定病院であるAbassiya感染症病院に運ばれることになっています。なお、過去の隔離者およびその数に関する情報については,公式発表はされていません。
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