4 交通事故対策
(1)エジプトの交通事情
エジプトにおいては、道路、車両等の交通状況、交通秩序や安全に対する国民の意識は日本と大きく異なっています。
車両が関係する交通事故は、主要都市の市街地、都市間の幹線道路等を含め、場所や時間を問わず発生しています。特に幹線道路で発生する交通事故では、車両が横転して一度に多くの死傷者が発生するような深刻なケースが多くなっています。
エジプトでは、速度超過、無理な割り込みや突然の車線変更、逆走、車間距離不保持、過積載、夜間のライト不点灯、オートバイによる車両間すり抜け等が頻繁に見られ、歩行者による突然又は暗闇での道路横断、車両の整備不良、劣悪な路面状況も交通事故の発生が多い原因と考えられます。
事故を起こさない、又は巻き込まれないためにも、周囲の車両や運転手の動向に注意し、自ら防衛に努めてください。
また、任意保険制度が浸透しておらず、ほとんどの車両が未加入と考えられるため、交通事故の被害者となった場合でも、相手方から十分な補償を得ることは困難な状況です。
(2)交通事故遭遇時の対応
日本人は車両同士、または人と車両が少しでも接触した場合、交通事故ととらえますが、エジプト人の間では、軽い接触や車両の擦過傷程度では、交通事故に含まれないとの認識があるように思われます。
そのためか、人の死傷が伴わない事故の際には、相手方が現場からそのまま或いは主張のみして立ち去ってしまうことがあるので、車両情報(番号、車種等)、運転手情報(氏名、連絡先等)を記録してください。
万一、交通事故を起こして相手方に負傷がある場合は、救急車を呼ぶ等応急処置をするなどの対応が必要です。ただし、過去には外国人が現場で多くの野次馬に囲まれて袋だたきの状態になったり、地方で子どもを轢いてしまい現地の人々に復讐として重傷を負わされた例などがあり、状況によっては自分自身の安全に留意しなければならないことがあります。身の危険を感じる場合は、最優先に警察へ通報するか、最寄りの警察署に赴いて事故を届け出てください。
警察への届出は、以後の事故の補償手続きに必要となったり、不当な刑事罰を科せられないためにも必要です。
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